陽性適中率を上げたければ検査陽性に対して繰り返して検査すればよい

以下の記事のような「(有病率が小さければ)むやみに検査を拡大しても陽性適中率が低いので却って問題を引き起こす」という言説をしばしば見かけるが,これはちょっとミスリードで,(検査戦略は別の話として)とりあえず陽性適中率を上げたければ,検査陽…

物理量の空間分布を VTK ファイルに出力する [Julia]

数値計算で得られる結果は数値の列でしかないので,何かしらの方法で可視化しないといけないことが多い.2次元の簡単なものなら Excel でもいいが,3次元のデータとなると結構厄介である.幸いなことに ParaView という非常に高機能な可視化ソフトウェアがフ…

プロセス並列化+リダクション演算による配列の和の計算 [Julia]

配列要素の総和を求めるような演算は,数値計算においてしばしば表れる.たとえば Julia で書かれた次のようなコードがあるとする. # 配列 a, b の確保 sum_a = zero(eltype(a)); sum_b = zero(eltype(b)); for j in 1:N for i in 1:M sum_a += a(i,j); sum…

ジョーンズ計算法によるセナルモン法の説明

複屈折媒質(リターダ)に光が入射すると,直交する偏光成分間に位相差が生じる.この位相差のことをリタデーションといい,実験的に測定する手法としてセナルモン法 (Senarmont method) がある.意外とセナルモン法について書かれた書籍が少ないので,備忘…

シングルピクセルイメージング

イメージングというと普通は CCD や CMOS などのアレイセンサを使うが,フォトダイオードのように空間分化能を持たない点型検出器を使ったイメージング手法を圧縮イメージングとかシングルピクセルイメージング (SPI) という.この方法の何がうれしいかとい…

ベクトル化した2次元データに対する離散フーリエ変換行列

機械学習では画像のような2次元のデータをベクトル化して1次元のデータとして扱うことが多い.このようにベクトル化した2次元データに対する離散フーリエ変換 (DFT) 行列を定義できれば便利である. 長さ のベクトル に対する1次元の DFT は, を の DFT 行…

シルベスターの方法で生成したアダマール行列からウォルシュ型アダマール行列を得る方法 [C++]

信号処理や統計学で使われるアダマール行列は,以下のようにシルベスターの方法で再帰的に生成するのが(おそらく)一般的. ここで はクロネッカー積を表す.例として を示す. さて,この方法で生成したアダマール行列について,各行の符号反転の回数(周…

Julia 1.0 を Jupyter Notebook から使う

以下は2018年8月11日時点の情報です。 Anaconda3 がインストールされている前提。Julia を起動して]キーを入力して Pkg REPL-mode に入る。 julia> ] Conda→IJulia の順でパッケージをインストール。Conda には#master master ブランチの最新版を取得するよ…

Anaconda のアップデート

いつも忘れるのでメモ. > conda update conda > conda update anaconda > conda update --all conda→Anaconda→パッケージの順番でアップデート.Windows 版を使っていれば conda.exe は C:\ProgramData\Anaconda3\Scripts にある.

TeX Live で LuaJITLaTeX を使う (Windows)

毎回忘れるのでメモ. kpsewhich fmtutil.cnf で fmtutil.cnf の path を探す。 fmtutil.cnf をエディタで開き、luajitlatex を検索。該当行の行頭は #! でコメントアウトされているので、これを消して行を有効にする。 fmtutil-sys --byfmt luajitlatex を…

gnuplot で周期関数を描く

周期を として とすればよい. gnuplot> T = 2 gnuplot> plot [-2:2] (2/pi)*atan(tan(pi*x/T)) title "f(x)" gnuplot> replot ((2/pi)*atan(tan(pi*x/T)))**2 title "g(x)"

無料で楽しむクラシック

パブリックドメイン・クラシックというサイトがはてなブックマークで大人気のようですが、無料で楽しめるクラシックはそれだけではありません。ということで音楽から楽譜まで、無料でクラシックを楽しめるサイトを集めてみました。 パブリックドメイン パブ…

『気圧計の話』、あるいは問題の境界を確定すること

はてなブックマーク - [PDF] ある物理学生の回答 「気圧計を用いて,高い建物の高さを決定することができることを示しなさい」 しばらく前に話題になった「気圧計の話」ですが、すでに各所で指摘されているように、この話の大元はワシントン大学セントルイス…

世界を近づけたメートル法

征服者はいつかは去る。だが、この偉業は永遠である。—ナポレオン・ボナパルトが『メートル法の起源』に贈った言葉 長さや重さ、時間といった概念はこの世界を理解するためになくてはならない存在です。これらの概念は私たちの生活とあまりにも深く結びつい…

厳密化の代償

(以下の記事は2006年2月9日に書いたものです)しばらく前に「dxとdyの解析学―オイラーに学ぶ」という本を読んだので、今回はそれに関した話題です。解析学(微積分学)を学ぶときに誰もが感じるであろう「dx、dy とは結局何なのか」という疑問が歴史的な観…

発見の必然性

(以下の記事は2005年10月2日に書いたものです)天才はいつの時代でも世間に認められないのが相場のようで、科学史をひもとけば、自分の業績が認められないまま失意のうちに死んでいった英雄たちが数多くいることがわかります。地動説のために当時の権威と闘…

The Story of Mel

(以下の記事は2006年3月5日に書いたものです)ハッカー界に伝わる英雄叙事詩「The Story of Mel」の翻訳です。有名な割に Web 上で読める日本語訳がなかったので訳してみました。誤訳や間違いはコメント欄で指摘してくれれば幸いです。 - プログラミングの…